ペアーハンズ ロンチキA編成 を組みました
いつもゲームアドオン作って投げたり動力付き頭部を投げたりしている取引先から大物鉄道模型キットが飛んできました、というお話。
ペアーハンズ N-832 ロングレールチキEA改タイプ というコンバージョンキット。
既製品のコキ5500を実物同様擦った揉んだ載せたしてロンチキ(レール輸送用貨車)にしましょう、という代物です。
中身は金属エッチング板や鋳造パーツがわんさか詰まったいわゆる上級者向けのガチなキット。
貨車の長編成、それも金属キットとなると守備範囲外なので本来一生縁のない模型…のはずでした。
今回いつもお世話になっている方が手に負えないということで代行製作させていただくことになりました。鉄道モデルを投げると鉄道モデルが飛んでくる。ちぃおぼえた
コンバージョンキットのため改造元のコキ5500も13両必要ですがそれらもまとめて飛んできました。
なお、受託時点で山城は金属キットの組立経験ゼロです。
いちおう入門に定評のあるアルモデルとて簡・電動貨車も一緒に飛んできた頂いたので先に組んで練習させていただきました。気前の良さが過ぎる。
組み立て
ということで組み立て、手順自体は先駆者方を参考にしたのでざっくりと。
まずは種車コキを分解、上面を平らに削ります。
側面の梁が車両毎に違うので、削ったり真鍮線Φ0.3で付け直したり。
上面にキットの床板を貼るとチキの台枠になります。
削り落とした票差しをバルディローズ#717で移設し、洗浄後ガイアマルチプライマーを吹いてサフ吹き。
台車枠はブレーキと梁の一部を削ってプライマー&黒で塗装しておきました。
奥は大量のレール滑り台。ホワイトメタルなので瞬間接着剤でちまちま44個組みます。
造形がやや粗いので軽く整形。最悪3Dプリントしてもよかったような(でもキットの意味…
全体を黒塗装ののち、付属のデカールとバルディローズ#713インレタを貼り付け。
車両によってバラバラな上、マーキングも細かく梁の左右に跨っていたりと難儀です。
効率化のため3Dプリンタ(FDM機)でジグを作り並べて作業できるようにしました。
手すりに白を入れ、トップコートにスーパースムースクリアーを吹いて台枠は完成。
バルディローズ#709ブレーキ表示器も白黒に塗って追加しておきました。
続いて上物、の前に。
キットの発電機が大味な造形だったので、モデルを起こして3Dプリンタ(光造形)で出力してみました。
実物はホンダのポータブル発電機EU55isのようです。
柱も抜けてまあまあ綺麗に出力できたものの、一体成形してしまったので後々色差しで難儀する羽目に。
また、編成前後の「A」表示板のデカールが印刷不良で使えないので、これも凹モールド板で3D出力して置き換えることにしました。その裏側の操作盤も同様に出力。
使用した3DプリンタANYCUBIC Photon Mono 4Kは水平方向の解像度が700dpi↑相当で十分精細なモールドが彫れるようです。
キットの上物を瞬間接着剤・ハンダで組み立て。
練習の甲斐ありどうにか破綻なく組み上げられました。
精度のいいヤットコ、ステンレス定規、手すり曲げ部のハンダ補強あたりがキモでしょうか。
曲げの順番が前後するとヤットコが入らず綺麗に曲げられない罠も割とあります。
発電機台も3D出力してみたものの、これは2016年の装備更新後でキットの形態と異なるということでボツ。
先に滑り台の一部を調色して塗ってみましたが、思ったより赤みが強すぎこれもリテイクに。
塗装失敗しても気軽にシンナー漬けできるのが金属の楽なところかもしれません。
一部の滑り台には照明が付きます。
ハンドルを塗り分ける場合は別で塗って接着した方が明らかに楽でした(44敗)。
組み立てた上物を洗浄・串打ちして塗装。
打ち合わせの結果、グリーンマックスの黄5号・黄かん色・ねずみ色1号の配色に。
基本塗装が終わった上物。
エバーグリーン0.64mmプラ丸棒で蛍光灯を追加、発電機の表記はデカールを自作。
仕上げにスーパースムースクリアーを吹き、台枠に接着して終わりです。
完成
チキ5500形 ロンチキA編成 完成です。
エプロン車の一番長い手すりは車体固定後に洋白線Φ0.4現物合わせで作成しました。
2箇所の渡り板が下手に接触すと脱線するので、後から調整が効くよう弱めた両面テープで留めてあります。
上物の接着はゴム系接着剤が使われがちですが今回は水性接着剤を使用。ゴム系より塗りやすく塗膜を侵さないのではみ出しの修正が楽です。
カプラーは依頼主の指定でアーノルドのまま、編成前後端のみプライマー&黒で塗装して整えておきました。
ケースはKATO7両用、台枠の前後端を固定するよう現物合わせでウレタンを加工。
興が乗り依頼主ご提供の写真でK社風の取説兼加工記録書も作ってみました。
試運転
自室レイアウトボードで試運転。
金属製の上物が大量に載っているので車重も重くなり、結構な走行抵抗があります。
フル編成は牽引力のある大型機関車に牽かせたいところ。
そして流石長編成の迫力、ストレートが8両程度の周回なので半周近く埋まってしまいます…
ここだと5両編成の半ロンチキにDE10ぐらいが可愛らしくて丁度いいですね。
こうして組み上がったロンチキは後日依頼主の元に回送されていきました。
貴重なキットを組む機会をいただき誠にありがとうございました。
折角金属キットのスキルを得たのでいずれ旅客車両にも挑戦してみたいところです。
ペアーハンズ ロンチキA編成 完成!
— 山城タカミ (@takami347) May 22, 2022
KATOコキ5500をベースに梁加工・蛍光灯追加など軽くディティールアップ。
発電機はモデルを起こして3Dプリント、編成表示板・操作盤もデカールの代わりに凹モールドで出力して置き換えました。 #山車模型部 pic.twitter.com/8U1wMJAITj
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